小林研究室に興味のある学生へ

小林研では, オペレーションズ・リサーチ, 数理最適化, 機械学習に関する研究を行っています. これらは数理的に面白い分野でありながら, 実社会における様々な問題解決にも貢献できる魅力もあります. ただし現実に現れる複雑な問題を数理的な手法で解決するにあたっては,各種手法の数理的な背景や原理を深く理解していることが必要不可欠です.したがって小林研では現実での応用を見据えつつも,理論的な側面を重視した研究を進めています.また大学院での研究活動では,単なる専門知識や技能の習得にとどまらず,論文投稿や学会発表などを通じて研究成果を広く社会に還元することが求められます.研究は一朝一夕で成果が出るものではなく,日頃から勉強と試行錯誤をコツコツと積み重ねることが必要です.こうした地道な作業を厭わず,自分なりの目的意識・問題意識のもと粘り強く研究に取り組める意欲的な学生を歓迎します.

研究分野について

研究分野の概要について知りたい場合は小林研の研究分野をまずご覧ください. リンク先のページのうち,とりわけ「最近の研究トピック」で取り上げている話題は現在小林が精力的に取り組んでいる分野です.

なお小林のいくつかの研究については過去に執筆した解説記事もあります. いずれの記事も理工系の学部 3 年生までの知識で理解できる内容です.小林研への所属を検討している学生はこれら (あるいはそこで引用されている文献) を一読し,自身の興味・関心と整合するか確認するとよいでしょう.

研究室の活動

小林研では主に 2 種類のゼミとして, 研究の議論をするための総合ゼミと, 数理最適化の専門書を読む輪読ゼミを行っています. ゼミはそれぞれ毎週 1 回行われ, 学生は週 2 回のゼミ参加を基本として日々の研究を進めます. ゼミの内容は以下の通りです:

  • 総合ゼミ
    • 研究に関する議論を目的として研究室全体で集まって実施するゼミです. 毎週何人かの担当者が自身の研究の進捗や最近の論文について説明し, その後研究の方向性について議論します. 中田研と合同で実施しています.
  • 輪読ゼミ
    • 数理最適化に関連する 1 冊の専門書を読み進めるゼミです. 毎週 1 人の担当者が本を読み進め, 自分が理解できた内容を板書で発表します. 数学的な言明を 1 文 1 文確かめながら読み進めることを通じて, 研究で必要となる思考力を養います.
    • 最近読んでいる書籍は以下のとおりです:
      • Yurii Nesterov. “Lectures on Convex Optimization”, Springer, 2018.
      • Michele Conforti, Gérard Cornuéjols, and Giacomo Zambelli. “Integer Programming”, Springer, 2014.

これらのゼミに加え, 希望者とは個別で研究を議論する場を設定する場合があります. 希望者が一定数いれば外部のコンペティション (データ解析コンペなど)に参加する場合もあります. 学生による有志の活動は推奨しています.

研究室の生活

小林研には学生室と談話室があります. 学生室は研究を進めるための部屋で, 配属された学生には 1 台の机と PC が割り当てられます. 談話室には共用のソファーやホワイトボードがあり, ちょっとしたディスカッションや休憩に使えます. 学生室と談話室には多数の専門書 (和書・洋書) があり, 研究に必要な書籍は自由に借りることができます.

研究室内のコミュニケーションには Slack を利用しています. また, 研究室内でのノウハウの共有のため Growi も運用しています. 研究の質問はもちろん, 技術的な tips の共有など気軽に相談できる環境作りを心がけています.

研究室配属について

経営工学系に所属する学生へ

研究室配属に関する質問・相談は随時対応しています. なにか聞きたいことがある場合はメールまたは学内の Slack で小林まで連絡してください.

他大学から進学を検討中の学生へ

修士課程での配属を志望する場合

  • 修士課程で小林研に配属することを志望する場合, 経営工学系の大学院説明会への参加を必須としています. 経営工学系の大学院説明会は例年 2 月から 5 月の期間で複数回実施されますので, まずはこちらの説明会に 1 度参加してください. 大学院説明会では系全体に関する説明のあと, 各研究室でオープンラボが実施されます. 小林研はオープンラボで研究紹介や学生室見学を実施します.
  • 遠地に住んでいる等やむを得ない事情で経営工学系の大学院説明会に参加できない場合は個別に対応します. 小林までメールで連絡してください.

例年,出願期間間近の5月後半以降に問い合わせが集中する傾向にあり,小林の時間的制約から十分な対応ができないケースが生まれています.このようなケースを避けるため,興味のある学生はなるべく2月〜4月の説明会に参加して早い段階で小林とコンタクトをとることを強く推奨します.メールでの問い合わせは随時対応していますので,説明会開催期間よりも早い時期に連絡していただく分には問題ありません.なお入試の公平性の観点から,出願期間開始以降の問い合わせは全てお断りしています.

博士課程での配属を志望する場合

  • 博士課程で小林研に配属することを志望する場合は個別に面談を実施します. まずは小林までメールで連絡してください.

注意: 研究生の受け入れは一切行っていません. We do not accept any research students.

よくある質問と回答

研究について

研究室配属にあたって必要な前提知識はありますか?

  • 研究室でのゼミでは, 本学経営工学系 2, 3 年次の専門科目で扱われる話題は前提として議論します. 経営工学系の専門科目のうち, この研究室の分野と関連が強い科目は以下の通りです:

    そのため研究を円滑に進めるにあたって, これらの科目の内容に対する興味,必要に応じて自分で復習する意欲があることが必要です. 自習する場合は, 以下にあげる関連書籍や講義資料も参考にしてください:

    • 数学に関する基本事項
      • 宮川雅巳, 水野眞治, 矢島安敏著 「経営工学のための数理 I」, 朝倉書店, 2004年
      • 宮川雅巳, 水野眞治, 矢島安敏著 「経営工学のための数理 II」, 朝倉書店, 2004年
    • オペレーションズ・リサーチ,数理最適化に関する教科書
      • 福島雅夫著 「新版 数理計画入門」, 朝倉書店, 2011年
      • 森雅夫, 松井知己著 「オペレーションズ・リサーチ」, 朝倉書店, 2004年
      • 田村明久, 村松正和著「最適化法」, 共立出版, 2002年
      • 寒野善博, 土谷隆著「基礎系 数学 最適化と変分法」, 丸善出版, 2014年
      • 梅谷俊治著 「しっかり学ぶ数理最適化 モデルからアルゴリズムまで」, 講談社, 2020年
    • 公開されている講義資料
      • IEE.A202 「経営・経済数学」講義資料 (塩浦先生作成)
      • IEE.A203 「数理工学」 講義資料 (小林作成)
      • IEE.B337 「経営・経済のためのデータ分析」 講義資料 (中田先生作成)

  • プログラミングに関して特別に必要な前提知識はありません. 最近は Python のほか Julia を使うことがありますが, いずれの言語も研究室配属後に必要に応じて学習すれば問題ありません.

研究テーマはどのように決めますか?

  • まず学生が OR や数理最適化,機械学習に関連する文献調査を通じてテーマを探し, ゼミの場などでの議論を通じて詳細を決定します.

研究室について

コアタイムはありますか?

  • コアタイムはなく, 大学にいなければならない時間はゼミの時間帯以外ありません. ただし平日の日中は研究室に来ることを推奨しています. 日頃から他の学生や教員と顔を合わせていると関係構築をしやすく, 自分が困ったときに相談しやすくなると考えているためです.

中田研との違いはありますか?

  • 小林はもともと中田研で学位を取得しているため, 研究分野については両研究室で大きな違いはありません. 現在も中田研とは連携して研究を進めていることが多く, 2026 年現在は中田研と共同で実施しているゼミもあります. ただし物理的・時間的な制約から, 今後の研究室の学生数次第ではゼミの運用や研究室運営が変わる可能性もあります.

卒業生の進路はどのようなものがありますか?

  • まだ研究室の卒業生がいませんので, 進路に関する実績はありません. 小林の個人的な意見 (ポジショントーク) を述べると, オペレーションズ・リサーチはつぶしが効く分野であり, 研究室で身につく能力はどのような進路・業界でも広く役立つものだと考えています.