小林研究室に興味のある学生へ

小林研では, オペレーションズ・リサーチ, 数理最適化, 機械学習に関する研究を行っています. これらは数理的に面白い分野でありながら, 実社会における様々な問題解決にも貢献できるという魅力もあります. 小林研での研究を通じて新しい価値を創出したいと考える意欲的な学生を歓迎します.

なお, 小林の研究の詳細については過去に執筆した解説記事があります. 過去の具体的な研究について学びたい場合はこれらの記事も参考にするとよいでしょう:

研究室の活動

小林研では主に 2 種類のゼミとして, 研究を進めるための全体ゼミと, 数理最適化の専門書を読む輪読ゼミを行っています. ゼミはそれぞれ毎週 1 回行われ, 学生は週 2 回のゼミ参加を基本として研究を進めます. ゼミの内容は以下の通りです:

  • 全体ゼミ
    • 研究を進めるための議論を目的として, 研究室全体で集まって実施するゼミです. 毎週何人かの担当者が自身の研究の進捗や最近の論文について説明し, その後研究の方向性について議論します.
  • 輪読ゼミ
    • 数理最適化に関連する 1 冊の専門書を読み進めるゼミです. 毎週 1 人の担当者が本を読み進め, 自分が理解できた内容を板書で発表します. 数学的な言明を 1 文 1 文確かめながら読み進めることを通じて, 研究で必要となる思考力を養います.
    • 最近読んでいる書籍は以下のとおりです:
      • Yurii Nesterov. “Lectures on Convex Optimization”, Springer, 2018.
      • Michele Conforti , Gérard Cornuéjols, and Giacomo Zambelli. “Integer Programming”, Springer, 2014.

これらのゼミに加え, 希望者とは個別で研究を議論する場を設定する場合があります. 希望者が一定数いれば外部のコンペティション (データ解析コンペなど)に参加する場合もあります. 学生による有志の活動は推奨しています.

研究室の生活

小林研には, 学生室と談話室があります (いずれも中田研と共用). 学生室は研究を進めるための部屋で, 配属した学生に 1 台の机と PC が割り当てられます. 談話室には共用のソファーやホワイトボードがあり, ちょっとしたディスカッションや休憩に使えます. 学生室と談話室には多数の専門書 (和書・洋書) があり, 研究に必要な書籍は自由に借りることができます.

研究室内のコミュニケーションには Slack を利用しています. また, 研究室内でのノウハウの共有のため Growi も運用しています. 研究の質問はもちろん, 技術的な Tips の共有など気軽に相談できる環境作りを心がけています.

研究室配属について

経営工学系に所属する学生へ

研究室配属に関する質問・相談は随時対応しています. なにか聞きたいことがある場合はメールまたは学内の Slack で小林まで連絡してください.

他系・他大から進学を検討している学生へ

修士課程での配属を志望する場合

  • 修士課程で小林研に配属することを志望する場合, 本学経営工学系の大学院説明会への参加を必須としています. 経営工学系の大学院説明会は例年 2 月から 5 月の期間で複数回実施されますので, まずはこちらの説明会に 1 度参加してください.
  • 大学院説明会では系全体に関する説明があったあと, 各研究室でオープンラボが実施されます. 小林研はオープンラボで研究紹介や学生室見学を実施しますので, 研究室の雰囲気を知る機会として活用してください.
  • 遠地に住んでいる等やむを得ない事情で大学院説明会に参加できない場合は個別に対応します. 小林までメールで連絡してください.

博士課程での配属を志望する場合

  • 博士課程で小林研に配属することを志望する場合は個別に面談を実施します. まずは小林までメールで連絡してください.

注意 研究生の受け入れは一切行っていません. We do not accept any research students.

よくある質問と回答

研究について

研究室配属にあたって必要な前提知識はありますか?

  • 研究室でのゼミでは, 本学経営工学系 2, 3 年次の関連科目で扱われる話題に馴染みがあることを前提として議論することが多いです. 具体的な関連科目は以下の通りです:

    科目コード 講義名
    IEE.A201 経営・経済のための基礎数理
    IEE.A202 経営・経済数学
    IEE.A203 数理工学
    IEE.A206 オペレーションズ・リサーチ基礎
    IEE.A230 オペレーションズ・リサーチ応用
    IEE.B337 経営・経済めのデータ分析
    IEE.A331 モデル化とOR

    研究を円滑に進めるにあたって, これらの科目で扱う話題に対するある程度の興味と理解 (そして必要に応じて復習する意欲) があることが望ましいでしょう. 自習する場合は, 以下にあげる関連書籍や講義資料を参考にしてください:

    • 宮川雅巳, 水野眞治, 矢島安敏著 「経営工学のための数理 I」, 朝倉書店, 2004年
    • 宮川雅巳, 水野眞治, 矢島安敏著 「経営工学のための数理 II」, 朝倉書店, 2004年
    • 福島雅夫著,「新版 数理計画入門」,朝倉書店, 2011年
    • 森雅夫, 松井知己著, 「オペレーションズ・リサーチ」, 朝倉書店, 2004年
    • 田村明久, 村松正和著,「最適化法」, 共立出版, 2002年
    • IEE.A202 「経営・経済数学」講義資料 (塩浦先生作成)
    • IEE.B337 「経営・経済のためのデータ分析」 講義資料 (中田先生作成)
  • プログラミングに関して特別に必要な前提知識はありません. 最近は Python のほか Julia を使うことがありますが, いずれの言語も必要に応じて自習すれば問題ありません.

研究テーマはどのように決めますか?

  • まず学生がテーマを探し, ゼミの場などでの議論を通じて詳細を決定します. 小林が一方的にテーマを設定することはなく, 学生の興味と意志を尊重して一緒に検討します.

研究室について

コアタイムはありますか?

  • コアタイムはなく, 大学にいなければならない時間はゼミの時間帯以外にはありません. ただし平日の日中は研究室に来ることを推奨はしています. 日頃から他の学生や教員と顔を合わせていると関係構築がしやすく, 自分が困ったときに相談しやすくなると考えているためです.

中田研との違いはありますか?

  • 小林はもともと中田研で学位を取得しているため, 両研究室で研究分野に大きな違いはありません. 現在も中田研とは連携して研究を進めていることが多く, 2025 年現在は中田研と共同でゼミを行っています. ただ今後の研究室の学生数次第ではゼミの運用が少し変わる可能性もあります.

卒業生の進路はどのようなものがありますか?

  • まだ研究室の卒業生がいませんので, 進路に関する実績はありません. 小林の個人的な意見 (ポジショントーク) を述べると, オペレーションズ・リサーチはつぶしが効く分野であるため, 研究室で身につく能力はどのような進路でも広く役立つものだと思っています.